出撃日誌・風土記

秋の川根路・さながら近鉄大井川線

日頃から金欠でバッキャローなオタクとして過ごしているため、懐のコンディション不良を理由に遠征を控えていたところ、地元のフォロワーに誘われて出撃。

お互いの実家を知っているほどの間柄であるため、我が埼玉ハウスまで迎えに来てくれた。

圏央道で取り急ぎ小田原厚木道路へ向かい、夜な夜な静岡を目指す。途中箱根峠を降りて三島へ通じる下り坂の片隅に食堂を発見。腹が減ったぁ〜

三島市・富士食堂

この時間に食べる五目麺。たっぷり野菜とやさしい塩味が染み渡る。

お店のテレビから山本由伸投手のワールドシリーズMVP受賞のニュースが流れていた。

私とオタク、異口同音にボヤいた。

「「2つ上の野球選手がメジャーリーグのワールドシリーズでMVPだというのに、我々ときたら……」」

………いやいやいや。我々だってなんてことないぞ。MVPとはMotor  Vehicle  Peopleと書くのである。したがって我々もMVPだ。

気合を入れ直して静岡県は島田へ。仮眠を取り大井川の始発列車へ。ちなみに普通列車の運用は1本しかないらしく、現状東急南海近鉄の4〜5編成の中からどれか1つが来る状態のようだ。ギャンブルだねえ。

まだ朝日は山から顔を出していないから外は暗いんだけど……おっ!!


──────近鉄でした!─────

当時紅葉の初め頃で色づいてはいないけど木々の葉っぱはそこそこついている状態。そして静岡名物お茶っ葉の青々としている模様。良いロケーションのもとで1日過ごせそうである。

しかし撮影当時大井川線は不通区間があり、限られた区間での撮影となった。

光線事情など条件が重なるとほとんど撮影地が無いため同じ撮影地を行ったり来たりしながら構図を変えて……という状況であったが、天候には恵まれたので良いカットは撮れた。


ちょっといつぞやに載せた(載せたっけ?)長野電鉄のカットと似た感じかもしれない。

しかしとにかく近鉄車を晴天の下で仕留めること、これだけでも達成されたのでだいぶ気分も楽になっていた。

折り返してくる普通列車を狙うべく、ちょっとだけ家山側に移動。


ベタすぎるけど秋っぽいものを。

熟した柿と柿みたいな色の電車。

午前中の撮れ高はゼッコーチョーであった。

朝からハイパフォーマンスを魅せてくれた身体からもそろそろ補給をせよと圧が送られる。お腹がグーと申している。朝もテキトーにつまんだだけ。しばらく列車も来ないし、ここらでお昼にしよう!

家山駅前・たいやきや

たいやきはもちろん、店内ではラーメンや焼きそばも扱っている。

そしてなんと言っても…!!串に刺さってるおでん!!黒くてちょっと甘みのあるだしつゆ、いわゆる静岡おでんと言われるものも扱っている。とてもおいしかった。

おでんというと三角・丸・四角の具が串に刺さった様子を想像するかもしれないが、昨今はコンビニおでんだけでなく居酒屋さんでもおでんは各々独り立ちしてダシつゆを染み込ませている。ここで食べたおでんは串に刺さったスタイル。こういうのもいいなァ…!

静岡おでんには条件がいくつかあるようで、公式サイトに色々と書かれていたので興味ある方はそちらをご参照のこと。今回の家山駅前のたいやきやさんのおでんはまさに静岡おでんの理想形なのではなかろうか。

さて。塩分補給を済ませて次の普通列車の時間までダラダラと時間を潰す。秋とはいえ紅葉が始まってない時期は日差しがあると暑いもの。

長めの休憩を終えて午後の普通列車の撮影に向かう。


結局午前中の撮影地に戻ってきてしまった。しかし太陽の向きも大きく変わっているため絵面も大きく変わっていることだろう。光の色や質、午前中だと陰っていた部分にも光が当たったりと。

今回は背景の山の稜線は無視することとし、始まりかけの紅葉と青々としたお茶畑を意識する方針を取った。

さて、次がこの日最後の撮影か。大井川鐵道沿線は山に囲まれている地形ゆえ、日没時刻よりも早くに太陽が山に隠れてしまい一帯が影落ちしてしまう。

付近を物色しているとイイ感じの直線とお茶畑を発見。


やはり目立つ車体色だと色んな撮り方が出来るので助かるものだ。これが景色に溶け込んでしまう色だとこうはならなかっただろう。

せっかく茶畑に囲まれた地形、お茶畑特有の扇風機を風景の一つとして構図に入れてみた。架線柱の位置が気になるものの、一つの撮影地でも何通りか工夫しながら撮れるロケーションは撮っていて楽しいものである。サムネイルの写真もこのときに撮ったものだ。

この普通列車が通過した数分後、自分が立っている辺り一帯が山の影に落ちてしまった。

今日はもうこれで終わりだね〜〜この時間から行けば多少空いてるかな?待ち時間は10分とかだってさ。

………………よし、さわやか行くぞ!!!

何年も前の話、大井川鐵道を撮ったあとに付近のさわやか店で食事をして帰ったことがあった。埼玉県民の我々は普段爆弾ハンバーグの方に親しんでいるが故、異教徒の心持ちでさわやか店に突入(入店)した。


北関東の爆弾と南側のさわやか。

いつも比べられちゃう関係性で、だいたい東京指向の人はさわやかさわやか……と言うもんだからね、おかげで北関東の爆弾屋さんは大行列を作られることが無いので助かってますwww(もちろん私はどっちも好きですヨ)

良い写真を撮れたあとの肉ほど美味しいものはない。しかし我々はここから埼玉まで帰らなければならない。連休真っ只中、高速道路なんてハナからアテにならないことも折込済み。

途中小田原までは下道で帰ることを決意しながらも、この言葉を合言葉に家路を目指すのだ。

────打倒・東名高速ッ!!!───

帰り道にフォロワーと話すことといえば、近況報告と今度何々しようぜとか、そういう会話が主である。付き合いの長く地元も近いフォロワーは旧友と言っても何ら問題ない。

現状私は札幌と関東を行ったり来たりな生活であるが、どちらに居てもこうして撮影なりメシなり飲みなりに誘ってくれる同志が居てくれることに改めて感謝の念を持ち、今回の遠征を終えた。