写真作品

山陰本線・サロンカーなにわ

島根県
3月のラッセルシーズン終了時から、個展に向けた作業や手配・連絡などで目を回していると、本州の方から桜が咲いただのなんだのという報せが耳に入ってきた。実家の梅の花すら見ていないのに桜と言われても頭がついていけないものである。
また、札幌を始め道内の線路際で桜を見かけることがないためここ数年はめっきり疎い状態であり、去年は桜よりもライラックのほうをよく見ていた。

北海道はまだ4月でも気温が低く、新緑と言うにももう少し先かなというところ。この時期に遠景で何か撮ってもあまり良い風景にはならないもの。
そんなわけでこの時期は作業の時間に充てがちであったが、先述の個展に向けた作業も一段落ついたため、予め日程だけ頭の片隅に入れておいた山陰本線のサロンカーをお目当てに道外へ。

走行区間と日程的に撮れるとしたらここかな…と区間を絞って短期決戦。しかし走る時間と太陽の向きと地理的なものが噛み合わず、終日逆光という条件。側面にもあまり光が回らなそうなゼツミョーなスジ。
出撃当日まで撮影地を決めきれず、当日早めに出てロケハンしながら1発目のショバへ向かおうといういつもの悪いクセが出てしまったが、国道から見えた線路際の大きな桜の木に目が止まり即興で構図を組み立てる。
牽引機のDD51だけでも今となっては貴重なものであるが、敢えてサロンカーとDD51の連結部分を切り取る選択を取った。

この日のスジは途中何ヶ所かで数十分単位の長時間停車があったため、慌てなくとも撮って追い抜いてを繰り返して何発か撃てる状況。とはいえ完全初見の場所であったため、予期せぬ撮影地との邂逅は運にも味方されていたと言えるだろう。