写真作品

一日一善、その一枚が後から効く。

札幌市電・8500型
北海道の夏、年に何回かだけある「不快感のない空気でありながら一日中雲一つない快晴の日」、絶好の電車日和であった。
今年は個展が終わったあとも多少コンディション不良があったもののコンスタントに撮りまわる機会に恵まれていた。しかしどうしても懐にも身体にもツケが回ってくるのは避けられないようで、こういう日に限って仕事で撮りに出れない上、ここ最近は思わしくない体調にも振り回されている。あくまでAIではなくニンゲンが撮っているのだとよくわかる事象だ。

窓の外から絶え間なく注がれる日差し、四六時中青いままの澄んだ空。こういうときこそ雲ディフューザーを挟んで涼しくして欲しいものだが、ここがお天道様の役立たずなところ。
指をくわえたまま棒に振ろうものなら却ってストレスで体調が悪くなる一方、これでは治るものも治らない。仕事終わってから撮りに行くとして、何を撮ろうか……。

ここ最近は路面電車の写真をあまり載せていない。個展までやっているのになんということだと言われそうであるが、もちろん見据える先には来年の春がある。そのための出し惜しm……「ベンチワーク」をしているのだ。しかし"なしのつぶて"のままではいけないのもわかっている。

この時期は暑い代わりに19時過ぎまで太陽が生きている。札幌の電車通りは背の高い建物に囲まれている地形、夕方頃には線路際の大半は建物の影に沈んでいる。しかしちゃんと晴れていなければこんな影も出ないものである。その割には雲一つない青空を活かせていない気がしないでもないが、ここ最近世の中で注目されている「日差し対策」の一つとして読者諸兄に理解してもらおう。

1にも2にも8500にも、撮らないよりはマシ。
一日一善、その一枚が後から効くのだ。