展示を閉めたあと、ライラックの甘い香りに誘われたのだろうか、仕上げの撮影のためにカメラを持ち出した。
札幌市の花として親しまれているライラック、この文章を書いている日にちょうど大通公園ではライラック祭りが始まったとのこと。
多くの人からの後押しを受けた243号の花道を飾ると言わんばかりに、本当に最後の数日は電車通りやその近くの各所でラストランに間に合わせるような形で開花していました。
まだそこそこの数が残る210〜240系列の車の中でも、車体から台車まで、全ての部分が北海道内で作られ(あるいは他の個体から部品をわけられて)た「道産電車」の姿で残っていた243号車。
札幌市の花として長年親しまれている花に見送られる道産電車というシチュエーションは、知る人ぞ知る、これぞ札幌というべき風景であったと言える。
流石に開花のタイミングまで計算した上でプロジェクトを進められていたわけではないと思うので、本当にたまたま偶然、粋な風向きがこちらに向いていたのだろう。