特集・組写真

「電車通り『札幌編・第二幕』」終了しました。

第三回個展「電車通り『札幌編・第二幕』」無事10日間走破することができました。
撤収作業も大方済みまして、近日実家へ作品の疎開回送をするためそれに向けて支度をしているところです。

てなわけで。
みなさんは電車と友達になれましたでしょうか?
去年は友達になれなかったけど今年は友達になれた人、去年も今年も友達で居られた人。もっと早くから友達になりたかったという声も聞こえてきました。

お客さんの入りだけを考えるのであればきっと大通界隈のほうがより正解に近くなるとは思いますが、すぐ目の前を生きた電車が行き来する場所で写真を配置し、作者と直接語り合って知見や価値観を共有する場を提供する……電車と友達になってもらうにはこの環境のほうが尊い〜という考えは昨年と変わっておりません。

語るなんてことは文字上でもできることかもしれない。でも顔と顔を合わせて話すときは、普段ネットで話すことが多い人でも、案外すんなりと本音で語ってくれるというシーンを幾度となく見てきました。
作者だけでなくお客さんの"創作"や、"ちょっとやってみようかな……"というモチベーションを刺激する機会になれていたら幸いでございます。

全世界244億人の横田ファンの中には、横田と同じく熱い闘志を燃やして日々カメラと共に生きている人もいらっしゃいます。
面と向かって実地展示の場で、写真、芸術とは何か、本来私が好きなのはこうなんだけど……etc……と、語るための話題は尽きません。
そのための、一つの敷居が低い場所を作りたかった。写真を観る、キャプションをじっくり読む、作者の作品にケチつけてくれたっていい。
自由です。見るだけでも、お話しても、熱が入っても。そこ含めて表現、その場所自体が芸術品として成立するのかもしれない。
今回の私の展示は、写真そのものや文章だけでなく、観る側の皆様の意識に語りかけることもポイントにしておりました。

昨年に続いて今年も来てくださった方も多くリピーターの皆様の存在は大変励みになりますし、昨年来れなかったけど今年は来れた!という声も多くいただきました。ちょっと考えれば想像がつくことかもしれませんが、継続して発表を行うことのメリットはここにもあるんだなと改めて思いました。
昨年も同じことを書いたと思いますが、来てくださった皆様が目をキラキラさせて帰って行かれる姿がとても印象に残っております。
また遠方からご声援くださった皆様もありがとうございました。

何か出かけたついでに来てくださるという方が多いのはもちろんですが、来てくださった方々、みんながみんなお時間を割いてくださっていることには変わりません。
実地に来てくださった方を大切にしたいという思いもありますので、会期前の予告先発などで既に出しているもの以外の展示物はインターネットには載せません。
今年私が揃えた20枚のラインナップと皆さまが顔を合わせる次の機会がもしあったとしても、また何かしらの実物での発表を通じてのものとなります。
「20枚」という字面だけ見ればその程度かと思う方も居るかもわかりませんが、観に来てくださった方の口からは間違ってもそんな言葉は出てこないものと確信を持っています。

今後どうするかというのは未定ですが、他にも開催したい都市や場所があり野望だけはイッチョマエに持っているところでして、画面の中に留まらず実地で発表するこだわりを持ち続けることに変わりはありません。
1にも2にも243にも、501にも530にも、動くこと。
年に一回のお祭り騒ぎという形であっても、目先の華やかさやコストパフォーマンスだけにかぶりつくのではなく、自分自身のキャパシティを見極めて効果的に発表出来るようになりたいもの。

ちょっとヤラシイ言い方になりますが、お金を取っているかどうか以前の問題で、身銭を切って行っている以上、テキトーなものをテキトーに並べて終わりというのは作り手としても許せるわけがなく、発表や発信には本来相応の重みがあるという自負も、他のこだわりと同様に持ち続けて行く所存です。

主語を大きくして壮大なことを言うつもりはないけれど、なにか、こう、もう一度技量どうこうではなく「筋が通ったもの」を追い求める姿勢を持って、これまでの数年で発表した数々の作品や、今後私の手の内から出てくるであろう「次世代のスター(作品)たち」が皆さまのお目に触れられる機会を持てるよう、今後も取り組んでまいります。


───────電車と友達になろう!!!